函館建設業協会と日本建設業連合会は18日、函館工高環境土木科1年生を対象とした北海道新幹線渡島トンネル(天狗)ほかの現場見学会を開いた。約40人の生徒は重機や機械を間近で見ながら大規模なトンネルができるまでの過程を学び、建設業の魅力をあらためて感じていた。
延長32・7㌔の渡島トンネルのうち、天狗工区は北斗市中山の4・6㌔区間が対象。鉄建建設・アイサワ工業・西江建設・北土建設共同体が2015年12月から22年8月までの工期で施工している。斜坑1067mの掘削を終え、本坑239mまで掘り、進ちょく率は27.6%となっている。
現場事務所では鉄道・運輸機構の玉井達毅北斗鉄道建設所長が、新函館北斗―札幌間の延伸区間約211㌔を説明。5つの駅を設置し、約8割がトンネル区間であることなどを伝えた。由布壮一郎作業所長は、天狗工区の概要や施工手順などを説明した。
この後、トンネル坑内を見学。稼働する重機や湧水対策、NATM・発破方式で掘削中の切り羽の状況などを確認し、掘削・支保工、インバート、防水、覆工と進む施工イメージを持った。目安となる〝5㌔で100億円〟という膨大な工事費に驚いた様子だった。
日建連の名越次郎常務執行役は「生徒たちは未来の建設業を担う候補生。現場の雰囲気を肌で感じられたと思うので、今後の進路に役立ててほしい」と話していた。