日高管内7町長は17日、新冠町役場で臨時町長会議を開き、災害で2015年1月から不通が続くJR日高線鵡川―様似間のうち、日高門別―様似間の廃止を容認することで合意した。今後は各町議会と議論し、被害が少なく一定の輸送密度に達している鵡川―日高門別間の運行再開を目指す。
管内7町長のほか、むかわ町の渋谷昌彦副町長、JR北海道の綿貫泰之常務、道の担当者が出席。
9日に開いた高橋はるみ知事との意見交換や、JR北海道が単独で維持困難とする13線区の取り扱い方の違いに関する確認を主な議題とした。会議は非公開。確認事項の終了後、JRは途中退席した。
会議後、日高町村会長の坂下一幸様似町長と日高総合開発期成会長の川上満平取町長が記者会見を開いた。
坂下町長は、JR退席後の議論で「全線鉄路は、まず不可能という結論に達した」と報告。
被災護岸の箇所で再びレールを敷くことは現実的でなく、ルートを変えるにしても適地の選定や長期にわたる工事が必要となる。人口減少や工事による地元負担の増大で町自体が消滅する可能性もあると多数の町長から意見があり、全線復旧は議論から外した。
川上町長は「どの決断でもいばらの道。護岸被害もあるため早急な決断をせざるを得なかった」と述べた。
日高線の方向性について7町側は全線復旧のほか、鵡川―日高門別間の鉄道復旧、全線バス転換を挙げており、今後は鵡川―日高門別間の鉄道復旧を軸に運行再開を訴える考え。
ただ、JRに対する国の経費負担は12月に示される見通しで、7町長はそれを待って12月25日に町長会議か、沿線自治体協議会の再開で日高線の方針に関する最終決定を出すとしている。