八雲町は、北海道新幹線仮称・新八雲駅周辺整備基本計画の素案をまとめた。「牧場の中にある駅」をキーワードとし、開発を必要最小限にとどめる。駅前広場と駐車場で計7000m²を計画。駅前広場へのアクセス道路約230mも整備し、周辺には農業関連施設の誘致を目指す。駅前広場などのハードは2022年度から測量・環境調査に着手し、駅舎の建築が始まる26年度ごろから順次着工を想定している。
30年度開業予定の新駅は市街地から約3㌔離れた酪農地域の春日地区に設置される。駅舎は牛舎やサイロなどをモチーフとした牧歌的風景になじむデザインとし、交通結節点や道南北部の拠点機能に留意しつつ、開発を最小限にとどめる。
駅周辺は用途地域に編入せず、無秩序な開発を防ぐため特定用途制限地域と景観地区を設ける。駅前広場や駐車場はできる限りコンパクトに整備し、観光牧場や農場レストラン、牛乳・ワイン工場など農業の発展に寄与する施設に限り、民間連携や誘致を検討する。
駅舎(プラットホーム有効長263m)に対し、駅前広場などを横にずらすことで、駅を出てすぐに牧草地帯を見渡せるよう配慮。1日の乗降客数は552人、駐車場は102台と推計し、駅前広場は約4500m²、駐車場は約2500m²の広さを確保する。
駅前広場にはバス、タクシー、自家用車の乗降場所、バス待機場所を複数設け、一般車両の短期駐車場を配置するか否かで2パターンを記載。駅前広場と道道八雲北桧山線に最短で接続するアクセス道路は幅員12m(歩道3・5m含む)とし、市街地を結ぶ道道の拡幅などを要望する。
待合スペース、トイレ、自動販売機、荷物置き、観光案内やレンタカー・レンタサイクルなど各種受付窓口の機能(計110m²)は駅舎内に整備することを想定。2次交通はデマンドバスや乗り合いタクシーなど市街地と新駅、その他観光地などを結ぶ新たな公共交通の取り組みを考える。
駅前広場などの調査は開業10年前ごろから開始。19年度以降の直近は2次交通やソフト対策の在り方を重点的に検討する。ハードは22年度から測量・環境調査、24年度から設計、26年度から5カ年で施工するスケジュールを描いている。
素案は12月に意見公募し、来年2月にも成案化する。