来訪神

2018年12月05日 07時00分

 ライホウシン…。「何だそれ?」という人がほとんどだったのでないか。国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産として、新たに日本の「来訪神 仮面・仮装の神々」が登録された

 ▼正月などに異形の者が家々を訪れ、人々に幸せや福をもたらしたり、怠け者を戒めたりする行事だという。「男鹿のナマハゲ」(秋田県)がそれと聞いてやっと「ああ、あれか」と納得。8県10行事で構成されるそうだ。ナマハゲの他には「能登のアマメハギ」(石川県)、「薩摩硫黄島のメンドン」(鹿児島県)、「宮古島のパーントゥ」(沖縄県)といったものがあるがいずれも初耳。地域の結び付きや世代を超えた人々の対話を深める行事というから、小さな共同体の中で連綿と伝承されてきたものなのだろう

 ▼ユネスコは子どものしつけや、家族の絆を強めるのに重要な役割を担っていると評価したらしい。そりゃナマハゲが「悪い子はいねがー」と来たら、子どもはいい子になって親の所に逃げるしかない。来訪神の存在を知ってふとある人々のことが頭に浮かんだ。それは祖父母やおじ、おばである。子どものころ、土産を持って時々ふらりと現れては、面白い話や珍しい話で楽しませてくれたものだ

 ▼もともと親しい間柄で異形の者でもないが、どこか日常とは違う場所から来たような特別感があった。親から叱られているときにはかばってくれたりして。あと1カ月もすれば正月である。無形文化遺産登録にちなんで自分が来訪神となり、孫やおい、めいの家々を巡ってみるのも一興かもしれない。


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