ロボットで労働力不足解消 食料品製造へ導入PR

2018年12月06日 12時00分

 北海道立総合研究機構は4日、札幌市内の工業試験場に設けた、食品ロボット実証ラボ(通称・ロボラボ)の見学会を開いた。食料品製造業者などを対象にしたセミナーも開催。参加した約70人がロボット活用の可能性を探った。

 本道の食料品製造業は、道内製造品出荷額(2017年度)の35.7%を占める一大産業だ。ただ、近年は深刻な労働力不足に悩まされている。労働生産性の低さや、顧客ニーズの多様化により多種の品ぞろえが求められているといった課題も抱えている。

 従業員の作業負担軽減と生産性向上に貢献できるとして、ロボットの活用が注目されている。最近は操作性が向上し、低価格化・高性能化の流れが加速。導入は大手企業が中心だが、中小企業でも導入・成功事例がある。

 しかし、道内ではさほど導入が進んでいない。セミナーで経済産業省産業機械課ロボット政策室の小林寛課長補佐は「そもそもロボットが何に使えるのか、どれくらいコストがかかるのかといった基礎情報が不足している」と指摘。食料品製造業界には、機械系エンジニアがほとんどいないことも導入の障壁の一つとなっているとした。

デモンストレーションに見入る参加者

 ロボラボは11月20日に開所した。食料品製造業界へのロボット導入をPRする場のほか、ロボットを使用した機械システムの導入提案や設計・組み立てなどをする「システムインテグレータ」の育成拠点として活用する。

 施設内に4台のロボットを設置した。「双腕型人協働ロボット」(カワダロボティクス製)は、人の上半身とほぼ同じ構造、大きさだ。頭部と両腕にカメラを搭載。片方の手で対象物をつかみ、もう片方の手でねじ締めをするといった複雑な動作ができる。

 デモンストレーションでは、段ボール箱を開けて中の缶の数を数え、不足分を補充する作業を見せた。異なる種類の缶が入っていたときは、排除して正しいものを入れ直す。正常な状態だと判断すれば、箱を閉めて作業完了だ。

 「単腕型人協働ロボット」(安川電機製)は、所定の位置にある対象物を決められた位置に移動させることができる。弁当容器の所定の位置にカップを入れられるため、後は人の手でカップにおかずを詰めるだけ。「ロボットとの共同作業」で、従業員の負担を減らす。

 人が近くにいるときは、ぶつかっても止まることができる安全な速度で動く。人が離れると、通常モードで早く動作する。

 最大の特長は「ダイレクトティーチング」ができること。従来は、操作端末を使って先端・関節の角度などをロボットに教示する必要があり、知識がないと操作が大変だった。設置したロボットは、手先を人の手で動かすだけで、教示作業が完了する。操作端末いらずで、現場レベルでロボットの動きを変更できる。

 12月中旬から19年2月下旬にかけて計3回、システムインテグレータ育成研修をする。19年3月には、電磁ノイズ耐性試験ができる電波暗室・シールドルームや、防水試験室を備えた「寒冷地ものづくりラボ」が完成する予定。ロボットの導入を後押しする。


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