一日も早い開通へ向け着実に
7月4日。2日から道内に降った豪雨により各地でインフラ被害が発生した。午前10時にオホーツク管内で災害が発生していないか、ツイッターで情報収集を始めた。「オホーツク」「災害」と検索すると「いわね大橋が曲がった」という書き込みが数十件もあった。「橋が曲がるわけがない」と疑いながらも写真を見るとV字に折れ曲がっている。急いで網走建管に電話を入れると、橋が曲がった直後には通行止めを開始していた。
現場に着くと道道遠軽芭露線湧別川に架かる同橋が濁流の影響で9本ある橋脚のうち1本が沈下。橋桁がV字に折れ曲がり、1―2mほど沈んだ状況だった。網走建管の担当者は「川の水が濁り、危険で近づけないため調査できない。現段階では状況を見守るしかない」と対策をできない歯がゆさをのぞかせた。
湧別川は町の中心部に横たわり、市街地とを同橋と遠軽大橋の2橋でつないでいる。地域の生活道路として頻繁な利用がある。橋の周辺を見渡すと地域住民が河川敷に立ちすくむ人や、携帯電話を片手に写真を撮っている人もいた。状況写真を撮っていた町議会議員は「住民が町を行き来する重要な橋。開通はいつになるんだろう」と言葉を詰まらせた。
橋が折れ曲がった様子は全国ニュースでも報じられ、地域住民の記憶に残る1日となった。
網走建管では、河川水位が下がった7月19日から応急工事を進めている。既に橋体を支持するベントを設置し、沈下した橋脚を撤去した。現在は上部の撤去を進めていて、来年度から本格的な復旧に取り掛かる予定だ。
インフラ被害は地域生活に直結する。少しずつではあるが、開通に向けて着実に復旧が進んでいる。一日も早く、開通することを願う。(網走支局・出崎 涼)