7月豪雨で被災した天人峡美瑛線 構造強化4月にも着工

2019年01月08日 15時00分

 旭川建管は、7月豪雨で被災した天人峡美瑛線を改良復旧する災害関連事業に4月に着工する方針だ。場所打ち擁壁136mとコンクリートブロック1118mを整備し、忠別川増水時の岩石等を含む流水に耐える構造へ改良する計画。原形復旧費と改良費を合わせた工事費は2億6300万円程度で、2020年度の完成を目指す。これに交付金事業を加え、復旧箇所前後の改良も一体的に進める。

 同線は美瑛町市街地と天人峡温泉地区を結び、忠別湖より上流では忠別川と並行する形で走っている。7月2―4日の停滞前線による豪雨で増水した忠別川があふれ車道を越えて山側に流れ込み、一部は路面半分が決壊するなど路肩4カ所が流出し計690mにわたって被害を受けた。

 このため、復旧費と改良関連費を充て、災害関連事業として延長1118mで被災箇所とその前後区間の構造強化を図る。道路側面の両側を高強度化することが主な目的で、忠別川側では岩石や流木が混入した洪水流から車道を守る重力式擁壁を3カ所に設置。山側では越流による法面の浸食を防ぐため全延長でコンクリートブロックを布設する。

 擁壁は、激流による洗掘対策に根入れを2m規模で施すことから、高さは最大3・3mで設計し、現況の路肩から約3m川側に打設。路肩と擁壁の間は土を充てんし、洗掘防止に舗装して保護路肩とする。コンクリートブロックの整備面積は護岸ブロックなど5609m²。車道幅員は変わらないが全幅員は6・5mから7mへと若干広がる見通しだ。

 工事場所は美瑛町国有林354林班。保安林内行為の調整を終え次第工事に入る考えで、着工時期は4月を見込む。

 建管では、早期復旧と再度の災害防止に向け、7、8月と災害対策会議を開き、被災状況や技術的課題を整理し復旧工法を検証。被災箇所と前後の関連箇所は改良復旧として11月28日に採択された。再度の災害防止には、改良復旧の対象箇所以外の整備も必要になるため、社会資本整備総合交付金を活用して3カ所前後にも擁壁を設置し、改良復旧区間の下流には山側に越えた流水を本川に戻す横断管渠を整備する。


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