21日の設立総会で北海道砕石未来研究会(NS会)の初代会長に就いた、五十嵐組の五十嵐幸次副社長。道内をバランスよく見る位置感覚と持ち前の温和な性格から、会の立ち上げに関わった共同発起人らの支持を集めた。地方を主体とした砕石業の現状や課題、道内業界の未来像を聞いた。
取り組みたいことは―。
基本として砕石業の仲間で集まっているが、生コンや砂利業を兼業している会社もある。将来に向けて何を取り組めばよいのか、隣接する他業界との勉強会などを開催したい。
砕石業の現状を―。
地方は、仕事が少なくなり経営は厳しいが、無くなる業種ではないので、会社は存続させなければならない。そのジレンマに置かれている。
現状のインフラ整備は札幌近郊に集中しているが、観光立国の側面から考えた場合、道北は空港からのアクセスが悪いし、高速道路もつながっていない。道東や道南に行き来するには不便。まだまだインフラ整備を求めたい。それには基礎資材の砕石が必要で、未来のことを考えると、今が踏ん張り時だと思っている。
10人での船出だが―。
後継者のいない企業もあり、どの業界も若手組織を作るのは難しいと思う。建設会社をベースに考えると、砕石や砂利の会社は数が少なく、こぢんまりとした会にどうしてもなってしまう。道南、道央、道北、道東とバランス良く構成しており、当初としては集まった方だと思う。
若手組織としての特長は―。
建設業も同様だが、外に発信してこなかった業界だと思う。一般の人も何をやっている業界か分からないし、ネガティブなイメージも一部にあるかもしれない。せっかく若い世代で集まっているので、どんどんアピールしたい。
会員の中には、異業種にチャレンジしている企業もあり、そういった姿勢を会としても学びたい。業務管理のクラウド「salesforce(セールスフォース)」に強みを持つ会員もいるので、そういった勉強会もありだと思う。
改めて抱負を―。
業界全体が厳しくなる中、新しいことも模索しながら業界の未来を考えなければならないと思う。そのための勉強会だったり、研修会を積極的に開きたい。採石業務管理者らを対象にした技術委員会も立ち上げる計画だ。自社で抱え込むのではなく、互いに情報共有することで全体の底上げを図りたい。
北海道砕石未来研究会
道内で砕石業を営む若手経営者らによる組織。通称はNS会。
〝砕石は社会基盤整備の最上流〟を志にかかげ、「経営や技術の向上につながる調査研究」、「業界近代化に向けた対外活動」、「資質向上を図るための研修」を事業の3本柱としている。