おとといはサッカー・アジア杯アラブ首長国連邦大会準決勝「日本対イラン」戦の応援に、テレビの前で熱を上げていた人も多かろう。イランは対アジアチーム公式戦で約6年間、連続39戦負けなし。日本の勝利はかなり難しいとの下馬評も少なくなかった
▼ところが、終わってみれば日本が3―0で快勝。予想が外れてこんなにうれしいことはない。中でも堂安律、冨安健洋といった若手選手の活躍が目立っていた。堂安、冨安両選手はチーム最年少の20歳。成人したばかりだが堂安はオランダ、冨安はベルギーのチームで現在プレーしている。2ゴールを挙げた大迫勇也選手は28歳、原口元気選手が27歳。「サムライブルー」は平均約27歳と皆若い
▼一般社会ならまだ経験の浅い若造として軽んじられる年齢でないか。その彼らが世界のひのき舞台に立ち堂々と戦っている。意欲と才能のある若者に伸び伸び育つ環境と適切な指導、挑戦する機会を与えたらどれだけすごいことができるかを証明するものだろう。通常国会が28日召集され、安倍首相の施政方針演説が行われた。立ち向かうべき課題として少子高齢化や社会保障、デフレなどを示し各種対策を打つと約束した
▼それらも大切だが日本に必要なのはサムライブルーのように若者が存分に輝ける社会をつくることでないか。日本はいまだ多くの場で年配者が幅を利かす。もちろん経験には価値があるためそれは当然のこと。ただ若者にはもっと良い環境や挑戦する機会があっていい。若いスター人材が次々育つ土壌を用意するのも政治の仕事である。