相次ぐ遊技場跡地売却 地下鉄駅付近はマンションなど

2019年02月05日 18時00分

 パチンコ・パチスロなどの遊技場経営企業による不動産売却が増えている。出玉規制の強化やスマートフォンなどのゲーム人気で客足が伸び悩み、厳しい経営を強いられていることが背景にある。札幌市内では、マンションデベロッパーが地下鉄駅付近の店舗跡地を取得したり、道外企業が出店やM&Aを進めている。将来、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)ができれば、競争激化は避けられないことから、今後もこうした動きが続くとみられる。(経済産業部・武山 勝宣)

 「(来場者の)3分の1は減ったのではないか」。太陽グループ(本社・札幌)の東原俊郎社長は、業界の現状を口にする。

 同社は2018年9月に札幌市内の美しが丘店、12月に西4丁目店をそれぞれ閉店した。本社ビルの低層部にあった西4丁目店は改装して、今春からテナント貸しするなど不動産事業を強める。函館市松風町では、保有する敷地約6600m²の再開発を控えている。

 ガイア(東京・本社)は、札幌市内の狸小路商店街4丁目にある「メガガイア狸小路店」を18年5月に閉店。保有するアルシュビルをパン・パシフィック・インターナショナル・ホールディングス(旧ドンキホーテホールディングス)のグループ会社の日本アセットマーケティングに売却した。11月には札幌市白石区の「ガイア東札幌店」を閉め、クリーンリバーに売却。分譲マンション用地として活用される。

売却先が決まり、解体が進む旧ガイア東札幌店

 このほか1月に札幌市中央区の「サイバーパチンコ南9条」が閉店するなど、市内では店舗の営業見直しが加速している。

 経営が行き詰まり、倒産に至るケースも見られる。東京商工リサーチ北海道支社によると、札幌市内で「パーラー大黒天」を6店舗運営していた北星実業(本社・札幌)と関連会社が18年10月に破産した。風営法改正で射幸性の高いパチンコ台が廃止されたことや、大手との競合激化により業績が低迷。厳しい経営状況が続いていたという。地下鉄東豊線元町駅のそばで18年9月に閉鎖した元町店は、明和地所が取得。分譲マンションを新築する。

 不採算店舗の閉店や不動産売却が相次ぐ一方、ベガスベガス(本社・東京)は出店攻勢をみせる。JR釧路駅近くに釧路店を新築して18年12月にオープンさせたほか、函館市内で同業者を吸収合併し、店舗エリアを拡大。同社の担当者は「機会があれば積極的に店舗を構えたい」と話す。業界再編の進展が予想される。

 帝国データバンクがまとめたパチンコホール経営業者の経営実態調査結果によると、17年度に増収となったのは、全国2106社のうち182社にとどまった。18年の倒産は26件。2年連続で増加した。

 18年2月、ギャンブル依存症対策の一環で風営法施行規則が改正され、パチンコやパチスロの大当たり出玉がそれまでの3分2程度に制限された。ことし2月以降は、6号機と呼ばれるパチスロ機の検定基準変更を控えるなど、ルールの厳格化が進む。

 帝国データバンクの担当者は「楽しみ方が変わる転換期にきている」とする一方、「もうけを目的としている人は離れるのでは」と予測。IRによる競争激化は避けられないと指摘する。好立地の土地を所有していれば不動産業へ転業したり、大手企業であれば未出店の地方で同業者と合併するケースが増えるとみている。

 


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