倶知安町は、2030年度に開業を予定している北海道新幹線倶知安駅の新駅周辺整備構想案をまとめた。土地利用、駅関連施設、交通ネットワークに関する基本方針を定めたもので、おおむね24年度から施設設計や用地補償に取り掛かり、27年度から順次着工するスケジュールだ。
コンセプトは「人がつながり地域がつながる新幹線まちづくり~みんなで進める新幹線駅周辺整備とにぎわいの創出」。在来線のJR函館本線が廃止した場合の整備手法に関しても明記した。
基本方針のうち、土地利用に関する方針では、にぎわいの拠点となる駅前通と商店街を駅から一体的な空間とし、来訪者を駅前通へ誘導できる広場を整備。駅付近に宿泊施設を誘致することや、駅西側の旭ケ丘公園を風景に取り込むことを挙げる。
駅前のホテル建設は高層化することが考えられることから、まちのシンボルである羊蹄山の眺望を守るために高さ制限の検討が必要としている。
駅関連施設整備に関しては、初来訪者でも分かりやすい乗り換え空間とし、バスやタクシー乗降場整備、団体対応の大型車両駐車場といった駅前空間を整備。このほか豪雪を考え、新幹線高架下の有効活用などを打ち出した。
駅前広場の整備では、現在の駅前を東口広場とし路線バスやタクシー乗り場を置き、新駅を挟み反対側に西口広場を整備して大型バスの駐車場を配置。また線路を挟んでコープさっぽろ倶知安店の西側に390―420台分の駐車場を置く案を示している。
交通ネットワークでは、多様な交通手段への対応、歩きやすい駅前通の整備や高速道路ICと駅を円滑に接続する道路整備、ニセコエリアをはじめ近隣市町村などから駅へのアクセス性改善を図る道路改良を構想している。
新幹線と高速道路ICの開業に向けた道路整備では、道道倶知安ニセコ線のこ線橋解体に伴う迂回路として利用する公園通と北3条西線通の整備、アクセス道路として新幹線と並行する仮称・西3丁目線と仮称・倶登山川線の整備を挙げている。在来線廃止を考え、駅の東口と西口の広場をつなぐ道路整備も検討する。
町が主体となる道路整備や付帯施設では、駅前通に関しては22年度、それ以外は24年度以降に設計・用地買収を実施、新幹線開業の30年度までに整備を終える考え。19年度から調整を図りながら、各事業の計画策定に着手する。