北海道生コンクリート工業組合は、2019年度の道内生コン需要を326万9000m³ほどと想定している。18年度の出荷見通しに比べて約4%少ない。市街地の大規模再開発などを背景に札幌は2%増、函館は前年度並みの水準を見込むが、大型の建設需要でにぎわった千歳や苫小牧は反動減に陥るとみている。全道29地域のうち16地域が、前年度より需要が落ちると予想した。
道生コン工組の全道29分会による19年度需要見通しを集計した。官公需は128万5000m³で3%増。民需は198万4000m³で7%減を見込む。
最大消費地の札幌は110万5000m³で2%増を予想。18年度は夏から出荷が鈍化し、当初の想定よりも苦戦した。18年4月から19年2月までの出荷累計は89万m³で、前年度同期を10%ほど下回る。一方で19年度は、18年度に想定していた物件の繰り越しもあって、好転を予測する。
民需は、新さっぽろ駅周辺地区G・I街区や札幌駅北口8・1地区、北3東11周辺地区など大規模再開発に期待が集まる。NHK札幌放送会館の移転新築や北海道放送の本社建設といった継続物件も要因。官公需は道議会庁舎のほか、芸術の森地区新設小など学校施設整備が下支え要因に働くとみている。
旭川は15%増の12万m³を見込む。民需は24%増の8万4000m³、官公需は横ばいの3万6000m³を想定する。民需は北彩都地区に設ける仮称・旭川ウェルネスセンターの森山病院新築や、生鮮食品卸のキョクイチによる冷蔵施設の建て替えなどを要因とする。戸建てなど1件当たり100m³未満の小口案件は、前年度並みの約4万5000m³を見込む。
国立アイヌ民族博物館新設などで好調だった苫小牧と、新千歳空港の施設整備関連が好材料になった千歳は反動減を予想。苫小牧は9%減の14万8000m³、千歳は24%減の12万5000m³をみている。
函館は前年度並みの17万1000m³を想定。うち民需は10万1000m³を見込み、大手町でのホテル建設などを要因にしている。
札幌や旭川のほか、前年度より上回ると予想したのは北渡島(八雲や長万部)と岩宇(共和や岩内)、西胆振(洞爺湖や伊達)、道央(岩見沢や月形)、釧路、紋別、南宗谷(浜頓別や猿払)、宗谷の10地域だった。
2019年3月20日付の北海道建設新聞紙面では、道内29地域の官需・民需別の出荷量予想を含む、生コン需要見通し総括表を掲載しています。