道建設部は、佐幌川の水防災対策で計画する佐幌ダム(新得町)再生事業が2019年度に実施計画調査段階に入ることを明らかにした。現時点の計画では、堤高を現在の46・6mから49・5mにかさ上げし、総貯水量を1200万m³へと増強する。19年度は事業費2億5400万円(事務費含む)を投じて、水文調査などに着手する。
16年8月の台風災害では、佐幌川でJR橋の落橋や家屋浸水などの大きな被害が発生した。その対策として、佐幌川では下流の河川整備状況などを勘案した結果、既設の佐幌ダムを有効活用して治水機能を向上させることが、短期間で経済的・効果的な対策になると判断した。道内では、直轄の雨竜川ダム(幌加内町)においてダム再生事業に取り組んでいるが、補助ダムは初めてとなる。
新得町にある佐幌ダムは、洪水被害の防止や軽減を目的に1984年度に完成した重力式コンクリートダム。再生事業では、堤高を2・9mかさ上げし、堤頂長は5m増の260m、堤体積は3万300m³増え22万9600m³とすることを想定。これにより、総貯水量は1200万m³、有効貯水量は960万m³とそれぞれ160万m³増加する。総事業費は130億円を試算している。
19年度は水文調査、地形調査、環境調査、正常流量検討などを進める。