北海道銀行の沼田和之地域振興公務部部長が認定アセットマネージャー国際資格検定試験に合格した。試験を主催する日本アセットマネジメント協会によると、金融機関職員としては全国で初めて。沼田部長は、公共施設や社会インフラの老朽化が進む中、施設の更新・維持などで課題を抱える地方自治体に対し、資産管理のアドバイザーとして地方創生を後押しする考えだ。
アセットマネジメントの国際規格であるISO55000シリーズに対応する資格。社会インフラなどの更新・維持に適切な判断やアドバイスができる人材と認められる。国内での有資格者は3月末で151人、道内では5人。受験者は増加傾向にあるという。
道銀は、アセットマネジメントに関するセミナーを開くなど普及活動に努めている。
沼田部長は、第3回アセットマネージャー国際資格検定試験を1月に札幌で受験した。合格率は例年50%前後。「52歳でこんなに勉強するとは思わなかった」と苦労が報われた瞬間を振り返る。
老朽化する公共施設の管理・運営に頭を悩ます自治体に対し、民間活用を促すなど迅速に対応するための正しい知識を身に付けたいとの思いがあった。さらに道外では、建設やコンサルタントを中心に資格者を有する企業が多いが、道内では1人のみだった。ISO55000シリーズを広めることと併せて決意した。
今回、道内からは沼田部長を含め、建設、コンサルタント会社社員ら計4人が合格した。
人口減少を背景に、財政が厳しい地方自治体で、老朽化した公共施設の在り方が問われている。手法の一つとしてPPP(官民連携)があり、道内でも導入事例が増えている。
沼田部長は「民間が公共施設を管理する条件として、将来必要とされる資格になる。民間と自治体の橋渡しができれば」と意気込んでいる。
(北海道建設新聞2019年4月3日付2面より)