24時間営業見直し

2019年04月08日 09時00分

 難しいものであちらを立てればこちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たずということが世間ではよく起こる。最近のビジネス界でも双方が勝者になる「ウィン―ウィンの関係」が目指されるが、理想通りになる例はそう多くないようだ

 ▼歌手の宇多田ヒカルさんも自ら作った曲『誰かの願いが叶うころ』でこう歌っていた。「誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ みんなの願いは同時には叶わない」。本部の願いがかなうころ、泣いている店舗も相当あったのだろう。コンビニ最大手「セブン―イレブン」の一律24時間営業が見直されることになった。親会社セブン&アイ・ホールディングスが先週、営業時間について柔軟なあり方を模索する方針を発表したのである

 ▼見直しのきっかけは大阪の加盟店が人手不足でやむを得なく夜間営業を取りやめたところ、本部が多額の違約金を請求し社会問題に発展したこと。現場の過酷な実態や本部の高圧姿勢が明るみに出て、セブン側に批判が殺到した。なぜそこまで全店24時間営業にこだわるのか―。大阪の騒動を聞いた多くの人はそう思ったのでないか。新たな社会インフラとも呼ばれ、今では日本が世界に誇る交番以上の充実ぶりだが働く人がいないのではもとより続くまい

 ▼平成の30年間でコンビニは3・5倍の5万6000店に増えた(日本フランチャイズチェーン協会)。これでは無理が出るのも当然だ。セブン―イレブンに限らない。コンビニ業界には客と店舗と本部、みんなの願いを同時にかなえる「ウィン―ウィン」の工夫がいる。


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