スズ産業(本社・旭川)は、2月末に日本製紙北海道工場旭川事業所と「バイオアッシュストーン」に関する販売代理店契約を結んだ。バイオマスボイラの稼働に伴い発生する燃焼灰を有効利用した再生骨材で、旭川市を中心に上川中部地域での導入拡大を図っていきたい考えだ。
同事業所は、導入しているバイオマスボイラの燃料として木くず、石炭、林地残材などを使用しているが、稼働に伴い年間3万㌧程度の燃焼灰が発生しており、最終処分場の延命化などを図る目的から燃焼灰の有効活用を計画。セメントで混練固化し、破砕した再生骨材バイオアッシュストーンを2008年度に完成させた。
11年度から13年度にかけて寒地土木研究所、NIPPOと凍上抑制層への適用に関する共同研究を進め、基本性状の把握、環境に対する安全性などを確立。12年12月には「北海道認定リサイクル製品」の認定を受けた。
バイオアッシュストーンの製造過程では、燃焼灰にセメントや豆砂利、薬品、水などを加え、加圧振動を加えてキューブ状にしたものを温度20―40度の状態で約1日養生した後、屋外ヤードでも2―3日養生し、品質の安定化を図る。
その後、自走式ジョークラッシャーで破砕し、最適な含水比となるようスプリンクラーによる散水をしながら製品ヤードで品質管理を行う。出荷はロードセル計量器付きタイヤショベルで実施するなど過積載対策も施している。
1日当たりの生産は、最大で約150㌧が可能。一般の骨材に比べ割安で、比重が軽いことからダンプ一台当たりの積載量を増やせるため、輸送コスト削減にもつながるという。
バイオアッシュストーンは、これまで旭川市や旭川建管、上川総合局調整課などで凍上抑制材、上川総合局南部森林室、芦別市で路盤材、上川総合局調整課で暗渠の疎水材として利用された実績を持つ。今後は上川中部地域をターゲットにしていく考えだ。
スズ産業の鈴木利昭社長は「旭川市内企業の反応は上々。19年度は8000㌧を売り上げることができれば」と話している。