道知事選は7日に投開票が行われ、前夕張市長の鈴木直道氏が元衆院議員の石川知裕氏との新人対決を制して、初当選を果たした。活力ある北海道の未来の実現を目指して「攻めの道政」と「行動する道政」を掲げる鈴木氏。全国で最も若い38歳の知事が、課題の山積する道政をどのように進めるのか、手腕が注目される。
道選挙管理委員会によると、投票率は58.34%で前回を1.28ポイント下回り過去最低となった。得票数は鈴木氏が162万1171票、石川氏が96万3942票。幕別町、池田町、本別町、足寄町、陸別町、音威子府村を除く市町村と、札幌市の全区で鈴木氏が上回った。
鈴木氏は「あらゆるピンチをチャンスに」というモットーの下で、179市町村とスクラムを組んで人口減少危機の突破、骨太で筋肉質な執行体制により行財政改革を実行することを公約に盛り込んだ。
具体的な政策は、156項目に上り、北海道胆振東部地震からの一日も早い復旧・復興、防災・減災のためのインフラ整備と公共施設老朽化への対応、産業力強化、外国人観光客拡大、意欲ある若者の活躍を支援する仮称・北海道ニューリーダーネットワーク創設などを掲げた。
また、直面する課題としてJR北海道の路線見直し問題については地域の実情や市町村意見を踏まえるとし、カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致は、道民目線を大切に判断するとしている。
7日、自民党道連や経済団体の幹部が顔をそろえた札幌市内の選挙事務所では、午後8時過ぎに当確の知らせが入ると、鈴木氏が拍手で迎えられ「具体的な政策を一つ一つ丁寧に形にする」と、かみしめるように話した。
道内経済団体のトップは、鈴木氏の道政運営に大きな期待を寄せている。
北海道建設業協会の岩田圭剛会長は「北海道は人口減少が進み、地方の衰退が危機的状況に直面しているなどの課題がある一方で、多くの可能性を有する豊かな地域。新知事には北海道の持つ可能性を引き出し、さまざまな課題を乗り越えて、活力あふれる北海道実現に向けた道政の展開を期待する」と述べた。
北海道経済連合会の高橋賢友会長は「若いリーダーとして10年先、20年先を見据えて北海道の在り方を長期ビジョンとして示し、次世代が夢と誇りを持てる豊かな未来を実現すべく取り組んでほしい」と期待。「人口減少による市場の縮小や労働人口の減少などのピンチを、北海道の強みのある分野での需要創出や生産性の飛躍的向上などのチャンスに変えて、豊かな道民生活を実現する力強いリーダーシップを」と激励のコメントを出した。