稚内市は、声問地区にある水道事業風力発電所の再整備に向け、2019年度から地質調査などに着手する。再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の期間終了が近づき更新期を迎えることから、建て替えや廃止など今後の整備方針を固める判断材料とする調査に取り組む見通しだ。
声問6899にある水道事業風力発電所は、デンマークのベスタス社製の風車3基で構成。1基当たりの出力は660㌔㍗で、合計出力は1980㌔㍗となっている。1998年度から風況調査に着手し、99年度に実施設計や風車製作を発注。2000年度に基礎工事や電気工事などを進め、01年度に運転を開始した。総事業費には約5億5000万円を投じた。
風力発電所で発電した電気は萩ケ丘浄水場と大沼ポンプ場の動力源として使用。発電した電力が使用電力を上回った場合には、余った電気を系統連系する電力会社に売電している。
市は、同施設のFITが21年6月で期間終了を迎えるなど更新期を迎えたことから再整備に向けた検討に入る。19年度は風力発電所改修調査として測量調査や地質調査を進める予定で、4月10日に東洋設計と随意契約を結んだ。業務期間は20年2月末までとなっている。
この調査結果を踏まえ、建て替えや廃止などの再整備の方針を固めるほか、次年度以降の取り組み内容を決める考えだ。