空知総合局は、ルート運営代表者会議が中心となってルート指定を目指している「空知シーニックバイウェイ―体感未来道―」の支援に乗り出す。具体的には道道沿いにQRコードを設置し、観光情報を提供することなどを検討。同局の佐々木誠也局長は「シーニックは空知の交流人口拡大を目指す上で核となる取り組み。地域の活性化につながることを期待したい」と話している。
空知のシーニックは約10年前からルートなどの調査を開始。昨年6月に運営代表者会議を設立し、11月に候補ルートに認定された。
名称は「空知シーニックバイウェイ―体感未来道―」。空知の炭鉱遺産や、田園風景、自然景観、芸術、食文化など地域にある資源を、見る、嗅ぐ、聞く、食べる、触れる―の五感を通して多くの人に知ってもらい、体験を通して地域全体の活性化につなげる。
同局ではこれまでも、屋外で空知産のワインと食を楽しむイベント「そらちワインピクニック」などで地域を盛り上げる活動を展開してきたが、シーニックの支援にも乗り出すことにした。
美しい自然景観や炭鉄港などの産業遺産、ワイナリー・酒蔵、サイクリングなど、さまざまな地域資源を空知の魅力・価値のさらなる発見に向け、管内のイベントや観光情報をスマホで読み取れるよう、道道沿いにQRコードを設置するといった新たな情報提供の仕組みづくりに着手。こうした取り組みと管内24市町の取り組みを連動させ、地域活性化を図るアイデアを運営代表者会議にも提案していく。
このほか、ドライバーやサイクリストの目線に立ち、魅力ある道づくりを目指すため、地域資源に誘導する補助案内看板設置や電線の見えない化、サイクルツーリズム環境の構築、ビューポイントパーキング整備などにも取り組む考えだ。
佐々木局長は「空知には味わいのあるワインやコメ、素晴らしい景観、北海道の歴史と深く関わる炭鉱遺産などの資源があるが、こうした資源を活用して交流人口の拡大を図る上で核となる取り組みがシーニック。炭鉄港も含め、広域的な取り組みが実を結び、空知の活性化につながることを期待したい」と話す。
また、運営代表者会議の植村正人事務局長は「人口が減少する中、シーニックに関わる人の数が力になる。総合局ではこれまでも空知の発信をしてくれているが、こうして互いの歯車を合わせることができてうれしい。代表者会議としてきちんとコーディネートしながら活動していきたい」と期待を寄せている。
(北海道建設新聞2019年5月13日付14面より)