5月の風

2019年05月28日 09時00分

 春には春、冬には冬の歌があるからだろう。その季節になると昔よく聞いていた歌をふと思い出すことがある。例えば今時期なら、本道出身のフォークデュオふきのとうの「5月(May Song)」(細坪基佳作詞作曲)がそう。1975年のアルバムに収録されていた

 ▼細坪さんの透明な声が頭の中で響く。「好きなのは 5月の風 甘い香り やさしい光 緑の中に 寝そべって 大きな欠伸 両手に包む」。そう、本道の5月といえば日中は暑過ぎず寒過ぎず。この歌詞のような爽やかさが持ち味だったはず。ところがきのうまでのあの異常な暑さである。動物園のホッキョクグマさながら、少しでも涼しい場所を見つけてあまり動かずにいた道産子も少なくなかったろう

 ▼札幌管区気象台によると、26日は道内173観測地点のうち44地点で猛暑となり、真夏日も107地点を数えた。佐呂間では午後2時7分に39・5度を記録し本道の年間最高気温を更新。平年差実にプラス21・7度というから驚く。NHK連続テレビ小説「なつぞら」の好評のせいでもあるまいが、十勝も季節外れの夏空に覆われた。帯広や池田で史上1位の38・8度を観測したのである。この日は全国の最高気温上位10地点を北網・紋別と十勝で占めたという

 ▼強い暖気が入った上に、中央の山々を越えた風がフェーン現象を起こしたらしい。きのうも気温は高く、道北や道央、道南にかけて一層暑さが増した。それも一段落。きょうあたりからフェーン現象の風でなく、ようやく誰もが好きな爽やかな5月の風になりそうだ。


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