道企業局は、これまで2度にわたり入札不調となった清水沢ダム改修に向けて、工事を3分割して発注する方針を固めた。当初は一括して3カ年工事としていたが、3件に分けて単年度工事に変更し、毎年度1件ずつ発注する。2019年度は堤体下にある土砂吐きゲートの閉塞(へいそく)などを実施することとし、来週にも一般競争公告する予定だ。
清水沢ダム改修は、老朽化に対応するため14年度から進めている清水沢発電所改修事業の一環で実施するもの。重力式コンクリートダムで、規模は堤体積が1万6000m³、貯水池の全容量が13万m³となっている。
ダム改修は18年7月に初めて入札執行したが、予定価格超過で不調となった。工事は非出水期である10月―翌年3月の冬期間に進める必要があるが、再公告したとしてもこの期間内の施工が困難になったことから、同局は発注を19年度に延期していた。
しかし、参加要件などを見直してことし4月に2度目の入札を執行したが、再び不調となった。同局では原因などを検証した上で、より多くの企業が入札に参加しやすくなるよう工事を分割し、単年度工事に変更することとした。
工事は全部で10門あるダム越流部のうち8門を順次、仮締め切りしながら進める。19年度は製作中の締め切りゲート3門を据え付けた上で、堤体下まで通じる作業用道路を整備し、減勢工下流取り壊し、土砂吐きゲートの閉塞、地震計設置などを行う。
20、21年度は堤体補修を計画している。表面を部分的に削って、新たなコンクリートを打設する工事で、打設量は合計で約1500m³を予定。これを2件の工事に分割し、各年度発注する。
分割することで工事費は若干増え、全体で10億円程度となることが見込まれる。
(北海道建設新聞2019年6月11日付1面より)