平たいくちばしにビーバーのような体。そんな奇妙で愛らしい姿が人気のカモノハシは「究極のふしぎ生物」らしい。『図解 なんかへんな生きもの』(ぬまがさワタリ、光文社)に教えられた
▼見た目だけではない。哺乳類なのに卵を産み、くちばしの電気センサーで獲物の生体電流を捉えるエレクトロ・ロケーションの能力を持つ。1500万年前頃から形が変わらないため、生きた化石ともいわれているそうだ。白亜紀に生き、今では本物の化石となったこちらの「カモノハシ」も最近にわかに脚光を浴びている。2003年にむかわ町穂別の海成層から発見された「むかわ竜」の話。ハドロサウルス科に属する恐竜で、長く平たい口先の形状からカモノハシ恐竜の異名を持つ
▼北大総合博物館の小林快次教授らの研究グループが骨の比較や系統解析をした結果、新属新種の可能性が極めて高いことが分かったという。論文は学術誌で審査中だが、正式に認められれば日本の恐竜研究史上最大級の成果である。何せ大型恐竜の全身骨格化石がこれだけそろうのは国内初。しかも世界的に見て、他の恐竜にはない固有の特徴が多くあるのだとか。きゃしゃな前脚や背骨の上に伸びる突起が大きく前に傾いていることなどがそれだと、18日の会見で小林教授が説明していた
▼骨は現在までに全身の構成数で6割、体積で8割が確認されているという。完全にそろえばさらに興味深い事実も明らかになってこよう。もしかするとエレクトロ・ロケーションの跡が見つかったり…。恐竜となるとすぐに想像が膨らむ。