道がIRで道民意向調査

2019年08月09日 09時00分

 
 ニセコを世界に通用するブランド「NISEKO」に押し上げた立役者の一人に、ニセコアドベンチャーセンター(NAC)社長のロス・フィンドレー氏がいる

 ▼ニセコの雪質が気に入り、1992年にオーストラリアから倶知安町に移住してきた人である。スキーのインストラクターをしていたが、夏は仕事がない。アウトドア関連の仕事もほとんどなかったため、建設会社で働きながら生活を維持していたという。そんなときに思い付いたのがラフティング、尻別川の急流下りだったそうだ。これをきっかけにニセコ観光の通年化が進み、今の国際リゾートにつながっていったのである。観光資源は雪だけ、アクセスが悪い、若者は出ていく…。弱点にばかり捉われていれば今のニセコはなかったろう

 ▼IR(カジノを含む統合型リゾート)誘致を巡る議論を聞いていると同じ懸念を感じる。カジノを弱点と考えるあまり、交流人口や雇用の増加による本道発展の可能性まで議論しにくくなっているのでないか。IRは老若男女、人種、国籍の垣根を超えて誰もが楽しめるリゾートとして構想されている。重要なのは国際会議を開けるMICE施設やテーマパーク、ショッピングモール、ホテルなどが一つのエリアに存在すること。経済波及効果はかなり大きなものになろう
 
▼道は近く、意向把握のため無作為に抽出した一定数の道民を対象とするグループインタビューに乗り出すそうだ。フィンドレー氏が先入観に曇らされていない目でニセコを再発見したように、将来を見据えた深い議論ができるといい。


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • オノデラ
  • 東宏
  • 北海道水替事業協同組合

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,429)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,264)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,169)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,130)
函館開建が国道5号の常盤川交差部に橋梁新設の可能性...
2024年04月17日 (783)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。