余命宣告に思いつづる 小沢・北洋建設社長が初の著書

2019年08月31日 09時00分

 難病で限られた余命ながら元受刑者の雇用に努める、北洋建設(本社・札幌市東区)の小沢輝真社長が初の著書「余命3年 社長の夢」を出版した。初版は6000部だが7月の発売以降売れ行きは好調で、出版元のあさ出版(東京)では重版を検討する。

著書を手にする小沢社長

 小沢社長は2012年に脊髄小脳変性症という難病を発症し余命10年の宣告を受けたが、徐々に不自由になっていく体で自ら全国の刑務所に出向くなど受刑者の雇用、就労支援を進めてきた。これまで法務大臣感謝状をはじめ関係機関から数々の表彰を受けている。

 元受刑者の受け入れは同社創業者の父が始めた活動。後を継いだ母と3代目の小沢社長も続け、これまでに500人以上を雇用してきた。

 著書では少年時代から見てきた父母の姿と、余命宣告を受けたからこそ「残された時間を無駄にできない」と懸命に働き、取り組みを続ける思いをつづった。

 「計算上は余命3年を切りました」。体調が日々悪化し、字も書けない小沢社長の口述を編集者が書き起こし、わずか1カ月ほどで出版を実現した。「自分の気持ちは十分に残せたと思う」

 ネット通販や札幌駅近くの大手書店では販売上位の日があり、先日は感銘を受けたと直接会いに来た人もいたという。税抜き1400円。売り上げの一部は元受刑者就労支援の活動費に充てられる。

(北海道建設新聞2019年8月27日付14面より)


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