北海道新幹線の札樽トンネル札幌工区の安全祈願が29日、札幌市手稲区西宮の沢の現地で行われた。施工者の大林組・東亜建設工業・大本組・みらい建設工業・丸彦渡辺建設共同体の主催。5工区に分割発注した同トンネルで、初めて本工事に着手する箇所となる。関係者約100人が参加し、無事完成を願った。
小樽市朝里と札幌都心をつなぐ札樽トンネルの延長は26・2㌔で、このうち札幌工区は札幌市街地の8・4㌔を施工するシールドトンネル区間。落札額は497億円(税抜き)となっている。
同工区として最初の施工箇所となる発進立て坑の掘削準備が整ったことから安全祈願が行われた。本坑を掘削するシールドマシンを地下へ下ろすために施工するもので、幅20・2m、奥行き27・3m、深さは49・5m。施工箇所は手稲区西宮の沢2条2丁目2で、ニューマチックケーソン工法により整備する。発進立て坑は2021年夏に完成し、その後本坑掘削に入る。札幌工区の工期は26年8月17日まで。
神事には、施主の北村隆志鉄道・運輸機構理事長と中野祐介副知事、秋元克広札幌市長がカマ、国会・道議会議員がクワ、共同体の代表者がスキを入れ無災害を祈った。
北村理事長は、札幌市内でも工事が始まることで「さらに道民に新幹線工事が本格化していることが認識される」と述べ、整備新幹線としては全国初のシールドトンネル工事になることから、機構と共同体が長年培った技術力を駆使して施工する考えを伝えた。秋元市長は関係機関の協力により、札幌延伸区間の早期開業を願った。
北海道建設新聞の2019年8月30日付16面に関連記事を掲載しています。