20年間、働いてくれた風車に感謝して―。山本建設工業(本社・苫前)は2日、苫前夕陽ケ丘風力発電所の解体を前に「風車稼働終了 感謝奉告祭」を開き、風車の魂抜きと工事の無事を祈った。
苫前夕陽ケ丘風力発電所[MAP↗]には、町が1998年から2000年にかけて設置した高さ38m、ローター直径43m、最高到達点59.5mの600㌔㍗風車2基と、高さ50m、ローター直径54.2m、最高到達点77.1mの1000㌔㍗風車1基がある。約20年間、大きな事故なく稼働し、クリーンエネルギーを利用する町としてのイメージアップに貢献した。
既設風車は減価償却期間の17年が過ぎていることや、新たな風車を建設することを受けて、無事に役目を終えたと判断して解体する。民間企業の上平グリーンヒルウインドファームにある39基は引き続き運用される。
感謝奉告祭では、関係者20人が出席し、前苫前町長の森利男氏や山本道浩社長らが玉串をささげ、風車に対して、長年働いてくれたことをねぎらうとともに、解体工事の無事を祈念した。
山本社長は「気象条件は厳しいがコミュニケーションを取り、無事故無災害で解体を終えたい」と安全最優先を誓った。
既設風車3基は11月までに解体する予定で、風速5m以下のときに作業を行う。ローターを水平にして、一本ずつクレーンで下ろし、その後、ナセル(発電機等の収納部分)、タワー部を撤去する。
(北海道建設新聞2019年9月4日付10面より)