十勝川でアイヌ伝統儀式 地元の建設業者も協力

2019年09月10日 12時00分

 十勝川に遡上(そじょう)するサケを捕獲し、カムイ(神)に感謝の祈りをささげるアイヌ民族の伝統儀式「アシリチェプノミ」が8日、音更町内の十勝エコロジーパークで行われた。30年ぶりに復活した昨年に続く2回目の開催。道内各地のアイヌの人々や帯広市内の建設業者も協力し、アイヌ文化の承継に努めた。

 アシリチェプノミは、十勝管内のアイヌ協会で組織する実行委員会が主催。北海道アイヌ協会理事である小川建設工業(本社・本別)の小川哲也社長が実行委員長を務める。帯広市内の建設業者や建設コンサルタント、地域住民らで組織する十勝川中流部市民協働会議が協賛し、開催への申請行為や会場設営などに協力した。

伝統儀式で十勝川の恵みに感謝した

   この日は、かわまちづくりに取り組む池田町の勝井勝丸町長や地域住民も参加。川を遡上するサケを捕獲してカムイに感謝する「カムイノミ」では、先祖が帯広にルーツを持つ阿寒アイヌ協会の広野洋会長が指揮を執り、いろりに酒や穀物、たばこの葉を供えて厳かに祈りをささげた。

 帯広カムイトウウポポ保存会によるアイヌ民族の伝統舞踊や、アイヌ料理の試食、「マレク」というサケの伝統漁法体験も実施。小川委員長は「多くの人がアイヌ文化を楽しんでくれてありがたい。今後も儀式を続け、アイヌ文化への理解が広がれば」と願っている。
 


ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 北海道水替事業協同組合
  • 東宏
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,405)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,309)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,292)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,093)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (993)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。