生コンや砕石がひっ迫気味に
道内の建設資材需給が厳しくなっている。国土交通省の主要建設資材需給・価格動向調査結果によると、8月の生コンクリートやアスファルト合材、H形鋼などの需給は前月よりひっ迫感が強まり、砂利や砂も均衡よりひっ迫気味にある。北海道新幹線札幌延伸に関連したトンネル工事や民間企業による建築工事で、生コンはニセコ地区を中心に需要が旺盛。アスファルト合材は秋口が出荷のピークだが、災害復旧や強靱(きょうじん)化などの特需から前年より1割近い高い水準にある。
国交省の主要建設資材需給・価格動向調査結果では、需給動向を1の緩和から3の均衡、5のひっ迫まで5段階で表す。対象は生コンや砕石、異形棒鋼など13品目。
道内は8月1―5日現在、生コンと砕石、再生骨材、アスファルト合材(新材と再生材)、異形棒鋼(SD295A D16)、H形鋼(200×100×5・5×8㍉)の7品目で緩和感が弱まった。砂は0.1ポイント下落、砂利は横ばいだが、3・3とひっ迫寄りにある。
実際、生コン需要は札幌や後志を中心に活況にあるよう。北海道生コンクリート工業組合のまとめによると、8月の出荷量は札幌が8万6000m³で前年同月比5%増、後志は1万7600m³で20%増と好調。北海道新幹線の札幌延伸に絡むトンネル工事、民間企業によるホテルやビル建設などが主な要因だ。
こうした生コン需要に引っ張られ、砕石や砂利、砂の需給は厳しい状況にある。特に砕石は、北海道新幹線トンネル工事や民間企業によるリゾート施設開発などで、ニセコ地区を中心に需要が旺盛。地域内の生産では賄いきれず、札幌から応援出荷する動きも出ている。
アスファルト合材は新材、再生材とも緩和からひっ迫へ向かいつつある。
北海道アスファルト合材協会の調べによると、2019年4―8月の道内生産量は109万8900㌧で前年同期比8%増。室蘭が13万9400㌧で40%増、札幌は40万7900㌧で前年並みの水準で推移した。北海道胆振東部地震による災害復旧工事などで伸びているもよう。例年、生産のピークは秋口以降となるため、「原油の関係からコスト面では不安があるが、供給能力には問題ないだろう」(同協会)とみている。
(北海道建設新聞2019年9月19日付3面より)