国内初ハンドルなしタイプの貨客混載で試験運行
上士幌町は5日、生涯活躍のまち上士幌MaaSプロジェクトの実証実験を開始した。国内初となるハンドルなしタイプの貨客混載自動運転バスを5―7日の3日間限定で試験運行。Aコープ上士幌店ルピナと西団地バス停間の1・2㌔を1時間に1本のペースで往復させたほか、Aコープ商品の配送依頼を受け付けた。町内中心部から観光スポットに向かう交通手段を提示する専用アプリも導入。タクシーなどの予約が可能となっており、継続的に利用状況を検証していく。
バスは、運転席やハンドルのないフランスNAVYA社製の自動運転EV車「ARMA」を使用。このタイプの貨客混載自動運転は国内初の試みとなる。本来は11人乗りだが、今回は配送商品を積むため定員6人で運行した。
初日となる5日は報道陣に実験の様子を公開した。最高速度を時速18㌔に設定し、片道約10分かけて走行。公道を走るということで、安全確認する保安員とドライバーが各1人乗車した。
バスに接続したマイクロソフトのゲーム機Xboxのコントローラーで緊急停止や車庫入れの手動操作が可能。設定ルート上での操作は不要となっている。
試乗した町職員の藤倉徳夫さんは「町でも運転に不安を覚える高齢者への運転免許返納を呼び掛けている。高齢者の足となるか、一町民として確かめてみたかった」、配送依頼でパンを購入した主婦の伊藤佳世さんは「自宅は今回のルートから離れているが、子どもが小さく外出できないときもあるので試しに依頼した」と話していた。
試験運行は7日で終了したが、観光地へのガイドを行う専用アプリの実証実験は継続し、2020年2月ごろに実験結果をまとめる。