急に寒くなったと思ったら、またしばらく暖かい日が続く。毎年のことながら、日により、また朝晩で寒暖の差が著しいこの時期は体調を整えるのに苦労する
▼何を着て出掛ければいいか、毎朝頭を悩ませている人も多いのでないか。きれいな青空にだまされコートを持たずに出ると、外では冷たい風が吹きすさんでいたりする。かと思えばいかにも凍えそうな曇り空なのに、玄関を出てみるとほんわり暖かかったり。先の日曜日に札幌から小樽へと向かう道すがら、周りの景色がかすむほど大量に発生した雪虫を見た。迷惑この上ないが雪虫にだって雪虫なりの事情がある。まあ、これも一つの風物詩だろう。「ひそやかにそしてたしかに霜の声」大野崇文。あしたは二十四節気の霜降。雪虫、霜とくれば冬も間近である
▼きのうは皇居で「即位礼正殿の儀」が行われ、天皇陛下が国の内外に即位を宣言するお言葉を述べられた。季節の変わり目と、時代の変わり目とが同時にやってきた感のあるこの晩秋である。寒暖差が大きく時折強い風は吹くものの、さほど大崩れしないのが晩秋の天気なのだが、今季は何やら様子が違う。季節外れの台風が次々と襲ってくるのである
▼気象庁によると10月の台風上陸数(平年値)は0・2で例年ならほぼ上陸はない。ところがことしは台風19号が未曽有の被害をもたらし、追い打ちを掛けるように20号と21号の発生である。19号で痛手を受けた被災地には過酷な状況が続く。着る物に頭を悩ませるくらいで済む、穏やかな秋の日が少しでも早く戻ってくるといいのだが。