水道管凍結防止や雪庇対策に
ビートソニック(本社・愛知県日進市)は、融雪・凍結防止システム「Hotpillar(ホットピラー)」をロードヒーティングや水道管の凍結防止、雪庇(せっぴ)対策に提案している。特殊なLEDテープ帯を用いるのが特長。来シーズンの施工普及を目指す。
同社は、カー用品やLED電球の開発・販売を手掛ける会社。小樽事業所(小樽市銭函3丁目502の8)にLED電球のショールーム機能を備え、約100点を展示。つらら形状が特長の「美影(びえい)」など意匠性や個性が際だった製品が並ぶ。近年は主張しすぎずに空間に調和する他とは違うデザインのLED電球が好まれる傾向にあるという。
LED電球は放熱しながら光る。熱の有効活用法を検討し、特殊なLEDテープ帯を製作。電源ユニットにLEDテープ帯を接続し、12の電流を流すと光って温かくなる。このLEDテープ帯を融雪や凍結防止システムに活用することを考案。システムを「Hotpillar」と名付けた。
同社独自の温度センサーを試作。氷点下に近くなると電源がオンになり、暖かくなるとオフになる仕組みまで構築した。
LEDの光で機能しているのかが一目で分かる。客が通る道に施工したり、手すりに取り付けるなど店舗では装飾の一部として使える。
テスト段階で施工販売までには至っていない。ロードヒーティング用途の場合、コンクリートカッターで雪を溶かしたい場所に溝を掘り、LEDテープ帯を縦か横に入れてコーキング。縦に入れる場合は幅5㍉、深さ15㍉程度の溝が必要としている。
少人数で作業ができるほか、アスファルト舗装を剥がす必要がないため施工の初期費用を抑えられる。
小樽事業所敷地内の一部に長さ1・5mのテープ帯を150㍉間隔で28本、縦と横に入れ込み、融雪効果を実証。夜は表面積がある分、横の方が明るく見える。目立たせたくない場合は、コーキングをグレーなど暗い色で実施することを推奨している。4m²で施工した場合でランニングコストは1日約500円かかる。
豪雪地帯の名寄市でテスト中。今後は冬場の平均気温が極端に低い地域で電源ユニットが機能するかや劣化状況、耐用年数などを検証したいとしている。
併せて道内で施工を担う協力会社を募っている。芦立寛十郎LED融雪システムプランナーは「たくさんデータを取り、来シーズンには施工できるようにしたい」と話している。
(北海道建設新聞2019年12月6日付3面より)