テレワーク

2020年04月21日 09時00分

 日本のインターネット元年は1995年といわれる。公式認定される類いの年ではないが、広く普及し始めたのがそのころだったことは衆目の一致するところだろう

 ▼新しい時代を開くきっかけを作ったのはマイクロソフト社のオペレーティングシステム「Windows95」の発売である。ここからパソコンの世界に足を踏み入れた人も多いのでないか。アイコンの操作性が格段に向上し、高かった敷居が下がった。実はもう一つ、インターネットが社会に広く知られるのに決定的な役割を果たした出来事がある。阪神淡路大震災だ。被災者やボランティアはインターネットを駆使して情報を収集し、状況をリアルタイムで世界に発信した。未曾有の大災害が普及の素地になったのである

 ▼危機が社会に変化を促す例は多い。今回の新型コロナウイルス騒動でもやはり事情は同じ。あれだけ政府がハッパを掛けても反応がなかった企業の働き方改革に動きが出た。自宅で業務をこなすテレワークが増えたのである。一つの空間に人が集まる事務所環境も、通勤電車など交通機関も避けるべき密集、密接、密閉の温床だ。企業は準備する間もあらばこそ、否応なくテレワークに踏み切らざるを得なかった。会議もWeb上で開くところが増えたという

 ▼始めてみるとこれが案外快適で、もう元には戻りたくないとの声も少なからずあるのだとか。インターネット元年から25年、働き方改革のためのインフラは十分整っていたわけである。新型コロナも少しは役に立った。そうとでも思わなければやっていられない。


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