新規出店は5店舗計画
道内食品小売大手のアークス、イオン北海道、コープさっぽろの2020年度設備投資は3グループ合計で約250億円を見込んでいる。新規出店は合わせて5店舗を計画し、既存店舗の改装や老朽化施設の修繕に多くの費用を計上。一方で新型コロナウイルスの感染拡大により建築資材の確保や人手不足を不安視する声は多く、今期中の工事を見送る可能性もある。
3グループの20年度設備投資のうち、店舗とシステム開発関連をまとめた。約75億円を投じるアークスは店舗関連は新規出店として旭川市と宮城県内の計2店舗で約25億円を計上。改装は15店前後を見込んでいる。旭川市の新規は豊岡地区で閉店した既存店を改装して入居する考えだ。
イオン北海道は約95億円を予定。新規出店は旭川でこのほどオープンしたディスカウントストアの「ザ・ビックアモール店」と、苫小牧でスーパーマーケットを検討する。札幌市内に小型店「まいばすけっと」の8店も計画している。
このほか、売り上げが好調な生花や健康、美容部門などの専門店化に向けた店舗改装には30億円を計上。道内店舗の40カ所超で進める。
コープさっぽろは約80億円を見込む。札幌市白石区で新規出店1店を予定。開業日は未定だが、6月以降の着工を目指している。需要の高まりから近年、道内全域で拡充を進める宅配センターは、旭川市内の1カ所で新設し、三笠市では移転改築する計画だ。21年度には函館市内での宅配センター新設を視野に入れている。
3グループとも、各店舗の工事は年度内を予定しているが、新型コロナウイルス感染拡大による状況次第では計画の見直しもあり得る。一部で建築資材の入手が遅延していて、今後も状況が悪化する恐れがあり、先行きが見通せないという。
コープさっぽろの担当者は新店舗の出店に関して、工事に向けた手続きや建築資材の確保はこれからだとし、「スケジュール通りにできるのか分からない」と話している。
(北海道建設新聞2020年4月27日付2面より)