自動運転の実験が道内で拡大 地域サービス実装が課題

2020年06月05日 09時00分

20年3月末で72件 収穫期の無人トラック輸送なども

 道内で市町村を中心とした自動運転の実証実験が拡大している。斜里町でのトラック輸送の運転自動化など、3月末時点で72件に上る。企業や地方自治体が技術検証を着実に進める一方で、地域での交通・輸送サービス実装には至らず、長期的視点からの運営・維持を検討する段階に入っている。

バスなど地域交通の自動化も試行が進む

 人口減少や高齢化によるドライバー不足、利用運賃の減収で地域交通・運輸の存続が危ぶまれる中、道が中心となって2016年に北海道自動車安全技術検討会議を設立。自動運転技術の実装による解決を探っている。

 事務局である道経済部への問い合わせは3月末までに248件を数えた。7割程度が自動運転の検証のために広大な実験フィールドを求める企業だという。現地で実証実験に入ったのは公道で29件、非公道で43件に上った。

 19年8月に斜里町でUDトラックス、日本通運、ホクレンの3者が取り組んだケースでは、GPSによる遠隔操作や障害物検知技術を組み合わせ、ほぼ無人に近い「レベル4」段階のトラック自動運転を試験走行。収穫期のトラックドライバー不足の解決策を模索している。

 石狩市や上士幌町などは公共交通での自動運転導入に取り組んでいる。大樹町は北海道開発局と連携して貨客混載の循環バスでの一部運転自動化を3年にわたり試行。苫小牧市など6市町は地域交通の自動運転に関心を示し、試験ルートを提案している。

 一方、地域でのサービス実装はめどが立っていないのが現状で、実験を終えた大樹町も現段階での可否は決めかねている。今後、実験結果から実現の可能性を見極め、地域公共交通の将来像を定める地域公共交通網形成計画で自動運転技術の位置付けをする予定だ。

 道経済部の担当者は「どうやって収益を確保し、持続可能とするかが課題。北海道は積雪寒冷地で通年運用が難しいという地域的な問題もある」と指摘。国土交通、経済産業両省のロードマップでは25年度までに「レベル4」の無人運転を含むサービスを全国40カ所以上で展開するという目標を掲げているが、道内での実現には地域特性などを踏まえた支援策も必要となる。

(北海道建設新聞2020年6月4日付1面より)


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