札幌市環境局は、ゼロエネルギー化の普及啓発に向け、省エネルギー性能から光熱費などを「見える化」するツールを年内にも公表する考えだ。
住宅では、既に建築環境・省エネルギー機構(IBEC)で公開しているプログラムで、年間ランニングコストの試算が可能となっている。
一方、オフィスビルなど非住宅を対象としたものはまだないため、同局は省エネ性能指標(BEI)から光熱費などを見える化するツールの作成を計画した。
ツール作成に役立てるため、2019年度に「市内住宅・建築物における省エネ性能の見える化に関する調査」を実施。
このほど公表した調査結果によると、建築物の総合的な環境性能を評価するCASBEEやLEEDなどの制度はあるが、省エネ性能に特化した評価制度はないこと、省エネ評価結果を建築主に分かりやすく提示する方法として各種指標を光熱費に置き換える手法が有効であることが分かった。
ツール作成業務は既に一般競争公告中で、7日に開札する予定だ。履行期間は10月30日まで。
同局環境エネルギー課の堤勝則課長は「見える化ツールの公表を通して、ゼロエネルギー化の普及に少しでも寄与できれば」と話す。また、建築物省エネ法改正により㎡未満の建物でも、建築主に対する省エネ性能の説明が義務化されることから「説明資料としても有効に活用できるのでは」と期待している。
(北海道建設新聞2020年8月5日付14面より)