このところ体重が増え過ぎているなと自覚のあるところに、人間ドックで各種数値に異常が出て駄目を押される。医者からは「このままだと長生きはできないよ」と脅され、もはや減量待ったなし。そんな経験を持つ人は多いのでないか。実は当方もその一人である
▼仕方なく嫌々ダイエットを始めるのだが、そこで思わぬ発見がある。体重が軽くなるとまずフットワークが軽くなり、次いで気持ちまで軽くなるのだ。ちょっと外出するのもおっくうだったのに、痩せてからは率先して立ち上がるくらい。妙にヤル気も湧いてきたりして。ただ体重を落としたいだけだったのに、うれしいおまけが付いてきたのである
▼こちらも同じ大きなおまけだろう。今期の季節性インフルエンザ患者数が例年に比べ激減している。新型コロナウイルス感染拡大防止のために多くの人がこまめな手洗いやマスク着用、三密回避を徹底した結果らしい。若干の不便はあるものの、いらぬ苦しみを味わわずに済むのだからありがたい。厚生労働省は毎年9月からインフルエンザの患者数を公表している。18日時点の累計は7人。前年同期が9551人だったことを思えば夢のような話だ。前の年が特に多かったとはいえ、おととしも993人はいたのである。違いは歴然だ
▼インフルエンザの死亡者数は推計で年間1万人。子どもが重症化する例も少なくない。一方で新型コロナの死亡者数は22日現在で1508人である。ダイエットも苦しいが感染対策も楽ではない。ただこんなおまけがあるならもうしばらく頑張れる気がする。