道内で再生可能エネルギーの原材料となる木質バイオマスの利用が大幅に増加している。2019年度の利用量は前年度を17%上回る138万2000m³と過去最高を記録。売電を目的とした木質バイオマス発電所が複数稼働したことにより伸びた。道は、原料材の需要が高まっていることから、これまで森林内に使われず残されていた林地未利用材のさらなる活用を図り、原料の安定供給につなげる。
道水産林務部のまとめによると、19年度の道内木質バイオマスの利用量の内訳は未利用材が前年度を6.9%上回る85万m³、建設発生木材が27.2%増の21万5000m³、製材工場端材が46.1%増の31万7000m³だった。16年から大規模発電所の整備が相次ぎ、利用量は15年と比べ2・3倍に膨らんだ。道が26年度までの目標として掲げている127万6000m³を上回る勢いとなっている。
道内は19年度末で固定価格買取制度(FIT)認定発電施設が9カ所あり、発電機は39基が稼働中。19年2月に整備された網走市内のWIND―SMILE(東京)の発電所が本格稼働し、5月に下川町内で北海道バイオマスエネルギー(下川)の発電所が整備されるなど利用量が急増。原料材の需要が高まっている。
道は、原料材となる建設発生木材や製材工場端材の供給量の急激な増大が見込めないことから、これまで利用が進んでいなかった林地未利用材の活用を促している。林地未利用材集荷システムや効率的な集荷、搬出、利用を進めるための拠点となる中間土場の在り方を検証してきた。本年度は地域や条件を変えて効果的な中間土場の在り方について検証し、利活用をさらに推進する。
林業木材課の担当者は「今後はこれまでのようなペースでの増加は想定していないが、原材料の安定供給に向けて林地未利用材の活用を進める」と話す。
(北海道建設新聞2020年10月27日付1面より)