函館開建が報道機関向けに現場公開
函館開建は12日、2020年度内の開通を目指し急ピッチで進められている函館新外環状道路空港道路の施工現場を報道機関向けに公開した。事業に対する理解を深めてもらうほか、報道を通じた市民への周知などを図るのが目的で、整備効果や技術面などの疑問に答えた。
延長約10㌔の地域高規格道路である同路線は、14年度に函館IC―赤川IC間2・4㌔が開通。現在は赤川IC―函館空港IC間7・6㌔を施工中だ。橋梁などの作工物や改良工事はほぼ完了し、路盤や舗装、電気設備、標識関連の作業を残すのみとなっている。
この日は函館空港IC、日吉IC、赤川ICの3カ所を公開。函館道路事務所の河崎拓実所長が整備概要や期待される効果などを解説した。
河崎所長は整備効果について「函館新道や函館江差自動車道との高速ネットワークがつながる」と述べ、観光地へのアクセス改善による周遊観光の普及が期待できるとした。
また、市民生活では道道函館上磯線(産業道路)の混雑により「救急車が渋滞に巻き込まれるケースもある」といった課題があることを紹介。混雑緩和や定時性確保などのメリットも挙げた。
工事の工夫としては、全体を通して大量の土砂を用いた土工が必要だったことから、スムーズに終わらせるための調整に力を入れたと強調。このほか、全ての現場でドローンによる測量やマシンコントロール機能を搭載した建設機械などICTを導入したことも示し、効率的で精度の高い作業を実践していると説明した。
(北海道建設新聞2020年11月16日付8面より)