中国との関係

2020年11月27日 09時00分

 望まぬ行為に手を染めねばならないときが人生にはある。背に腹は代えられぬ、というわけだ

 ▼例えば給料日はまだ先なのに、生活費を全部使ってしまったとしよう。悪いことに家には食べる物が一つも残っていない。これはもう、満杯になるまで使わないと固く心に決めていたブタの貯金箱を割るしかなさそうだ―。まあ、この程度の小さなことは誰にでも経験があろう。結局は後になって後悔するのが常なのだが。政府がにわかに中国との協調ムードを高めている。日本を訪れていた中国の王毅外相は24日に茂木外相、25日に菅首相と相次いで会談。ビジネス交流の再開を宣言し、融和を演出した。表舞台を見る限り、日本側の対応は歓迎一色だ

 ▼新型コロナウイルスに痛め付けられた経済を立て直すには、多額の貿易取引が見込める中国との関係を改善するしかないとの判断だろう。やはり背に腹は代えられぬ、というわけか。ただしこちらは、いつ爆発するか分からない巨大な火薬庫のような貯金箱である。中国はこのところ国際的に孤立を深めている。ウイグルやチベット、モンゴルでの人権抑圧に加え、香港では一国二制度の約束を破り民主活動を弾圧。領土拡張の野心も変わらない。ウイルスの武漢発生を当初隠していたのも印象を悪くした

 ▼何より尖閣諸島沖では連日、中国公船が威圧行為を繰り返している。なのに24日の会談後の記者会見で、王毅外相が尖閣は中国の主権下にあると断言したのに、茂木外相はひと言も反論しなかった。他国はどう見たろう。大きな後悔につながらねばいいが。


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