1月にこの新型コロナウイルスの存在が明らかになったばかりのころは、まさかここまで騒動が長引くとは考えていなかった。ほとんどの人がそうでないか。まさにコロナで始まりコロナで終わる1年である。早いものであすはもう12月だ
▼「電飾の光さざめく師走の夜」牛島淳吉。例年なら忘年会だクリスマスだと、過剰なくらい明るく輝く街である。ただ、外出自粛が要請されていることしは電飾も控えめだろう。他県に比べ感染拡大が著しい本道では、道が集中対策期間を来月11日まで延長。特に感染者の多くを占める札幌に関しては、市内全域の接待を伴う飲食店に休業要請までする念の入れようである。歓楽街には閑古鳥が鳴き、繁盛するのはコロナばかりとは何とも寂しい
▼ところが諸外国を見渡せば日本はまだましな方である。1日当たりの感染者数や死亡者数が日本より1、2桁多い国は先進国にざら。最も深刻な米国では感染者数が約16万人、死亡者数が1000人以上というから大変なことだ。米大手情報サービス会社ブルームバーグが最近、「COVIDレジリエンスランキング」を発表した。それによるとコロナ禍の今、最も安全な国はニュージーランドで、2位が僅差で日本だという。致死率の低さや充実した医療体制、民主的な措置が高く評価されたようだ
▼危険を叫ぶテレビだけ眺めていると、日本はもう終わったかのような気にさせられるが、客観的な指標ではかなり高く評価されているのである。自信を持ってこの場を乗り切り、来年の今頃は師を思う存分走らせてあげたい。