空き家法施行から5年 道内市町村の半数が計画策定

2020年12月01日 10時00分

道は取り組み方針見直しへ

 空き家法施行から5年が経過し、道内で空き家対策の取り組みが進んでいる。道内市町村のうち2020年5月31日までに空き家等対策計画を策定したのは92市町村と約半数に上り、21年度までには7割近くに達する見込みとなっている。一方、周辺の生活環境に悪影響を及ぼす特定空き家は、19年度末で累計3472件に上り、対策が急務となっている。道は、空き家等対策に関する取り組み方針を見直し、さらなる取り組みを進める。

行政代執行で解体に取り掛かる特定空き家。対策が急がれる

 同計画は、空き家法に基づき適正管理や跡地活用などの対策をまとめたもの。道内179市町村のうち芦別市や様似町、大空町が新たに策定し、51.4%に当たる92市町村が策定済みとなった。道建設部建築指導課の担当者によると、市町村に対して策定を強く求めており、30市町村以上が策定を予定。21年度までに約7割が策定する見込みとなる。全国平均は19年度末で69.4%と全国に比べて遅れをとるものの、空き家対策の動きが全道に広がり始めた。

 一方、倒壊などの危険性が高い特定空き家は、前年度から874件増の3472件に上る。15年5月の法施行後から20年3月31日までに助言・指導したのは累計で2508件。勧告は39件、命令は4件、行政代執行は室蘭市、豊浦町、旭川市、大空町の4件、略式代執行は歌志内市、共和町、室蘭市、礼文町、浜中町で各1件、鷹栖町で3件の計8件にとどまる。

 空き家の総数は減少傾向にあるが、住宅市場に流通しない空き家は増加しており、対策が急がれる。

 道は市町村へ引き続き計画策定を呼び掛けるとともに、「空き家等対策に関する取り組み方針」を年度内に見直し、空き家のさらなる活用を促進する。新型コロナウイルスの影響で導入が進んでいるテレワークの拠点や民泊など幅広い利用を検討する。また、65歳以上が居住する「空き家予備軍」や大規模商業施設の閉店による大規模建築物への対応も盛り込む。

(北海道建設新聞2020年11月30日付1面より、WEB掲載にあたり一部を抜粋)

 北海道建設新聞2020年11月30日付1面では、20年5月末で空き家等対策計画を策定している市町村を箇所付けで掲載しています。

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