旭川市は、旧東海大旭川キャンパス施設利活用事業の選考に公募型の採用を想定している。しかし前段となる基本方針の公表は、新型コロナウイルスの感染拡大により市況が見通せず、作成時期も含めて見定めている状況だ。2021年度以降の方針公表、事業公募を視野に入れる。
旧東海大旭川キャンパスは、14年3月末に閉校。土地建物は市に寄付され、老朽施設は解体、建設年次が比較的新しい芸術工学研究館や松前記念図書館が残っている。
市は当時、テレワーク拠点や林業大学校候補地として検討。いずれも実現に至らず、利活用の可能性や課題、市場性を把握するため19年8月に民間事業者へサウンディング調査を依頼した。3者から事業提案を聞き取り、同9月に結果公表。民間事業者への売却や賃貸によって利活用の可能性があると結論付けた。
19年度時点では、できる限り早期に利活用を進める姿勢を示し、基本方針の策定に取り組んでいた。20年1月には、策定に向けた有識者や地域住民による懇談会1回目を開催。以降はコロナ禍で2回目を見送っている。
市は、施設利用の方向性として民間活力によるにぎわいの創出を念頭に置く。民間の参入意欲が事業を大きく左右するが、現在はコロナ禍による情勢変化を見極めるのが困難で、基本方針の公表時期や事業の公募時期は不透明だ。当初、年内を目指していた方針公表は、現在のところ年度内には難しいとみている。
旧キャンパスは神居町忠和224にあり、敷地面積は34万8168m²。用途地域は建ぺい率60%、容積率200%の第2種中高層住居専用地域(一部は市街化調整区域)となっている。
(北海道建設新聞2020年12月25日付1面より)