鹿追町は2021年度、3基目となる集中型バイオガスプラント新設に向けて建設地などの調査に入る見通しだ。乳牛の飼養頭数が増加する中で北鹿追、笹川、東瓜幕地区を対象に家畜ふん尿の適正処理を進める。総事業費28億円を投じた瓜幕のプラントを上回る規模を想定。時期は未定だが、早期の着工を目指す。
町が設置した集中型プラントは中鹿追(処理能力1日当たり94・8㌧)と瓜幕(同210㌧)の2基が稼働中。基幹産業である農業の生産性向上と、町が進める脱炭素社会の形成に向けた重要な施設と位置付けている。中鹿追ではエアウォーター(本社・大阪)や鹿島(同・東京)などによる水素サプライチェーン実証事業も展開されている。
乳牛の飼養頭数増加に伴い、農家から要望が出ていたことを受け、3基目の建設を構想。送電線の空き容量不足に対応するため国が準備を進めるノンファーム型接続の申し込み開始をにらみ、建設地などの調査に入る方針を固めた。
町としては最後の集中型プラントになる見通しで、施設の完成により計算上、町内全世帯の8割の電源を賄うことが可能になるという。概算事業費の算出などマスタープランを策定していて、年度内にまとめる予定だ。
(北海道建設新聞2021年1月22日付9面より)