道建設部、甘水ダム新設 総事業費270億円

2021年02月05日 19時15分

旭川のペーパン川治水対策として計画

 道は5日、札幌市内で公共事業評価専門委員会を開き、2022年度着手を目指す大規模公共事業の事前評価対象を42地区に決めた。建設部は、旭川市内を流れるペーパン川に新設する仮称・甘水(かんすい)ダムを計画。同河川の治水安全度向上を目的に建設するもので、総事業費は270億円を見込んでいる。委員会による現地調査を経て、国費要望の可否は5月中旬の会合で審議される予定だ。

 事前評価は総事業費10億円以上の事業などが対象。農政部所管が25地区、水産林務部が11地区、建設部が6地区という内訳になっている。

 甘水ダム新設を計画するペーパン川は、16年8月や18年7月の豪雨により家屋や農地が浸水するなど氾濫被害が相次いで発生。現在、旭川建管が「河川等災害関連事業」と「河川災害復旧等関連緊急事業」の2つの事業に合わせて約32億円を投じて、護岸や河道掘削を進めている。

 ただ、これまでの度重なる浸水被害から、抜本的な対策が必要だと判断し、新たにダムを計画している。建設位置は、旭川市東旭川町瑞穂付近となる。現在実施中の河川改修箇所と、その上流部にあり直轄農業ダムのペーパンダムとの間で考えている。

 総事業費にはダム本体のほか、管理設備、付け替え道路約3㎞などが含まれる。22年度採択を目指し、完成は36年度を想定。採択されれば、1995年度に事業着手した厚真町の厚幌ダム以来の補助ダム新設になる。今回の事前評価は準備・計画段階に入るために実施するもので、建設段階で再度事前評価を受ける見通しだ。

 事前評価はこの他、建設部所管で既存ダムをかさ上げする仮称・新佐幌ダム再生事業(新得町)の建設段階の評価も対象になった。広域河川改修ではペンケ歌志内川(歌志内市)が対象で、92億4000万円を投じて延長6・6㎞の整備を計画している。

 水産林務部は、水産環境整備事業で9地区を評価する。松前町などが対象の北海道津軽海峡地区は総事業費145億7200万円、神恵内村から上ノ国町、奥尻町などが含まれる北海道南西部地区は123億8900万円を試算している。
 農政部は、畑地帯担い手育成型川西中央2―1地区(帯広市)において総事業費38億円で区画整理351haなどを計画。営農用水の片無去地区(厚岸町)は46億円を見込んでいる。


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