コロナ禍、交通事業者の収益改善へ
道総合政策部は18日、帯広と札幌を結ぶ都市間高速バス「ポテトライナー」を使った貨客混載の実証実験を開始した。十勝MaaSプロジェクトの一環で、コロナ禍で利用者の減少が著しい交通事業者の収益改善への可能性を探る。午前7時半、トランクに荷物を載せた第一便が乗客15人と共にJR帯広駅前のバスターミナルを発車した。
感染症対策と公共交通利用の両立に向けて、生活MaaSの実装を目指す実証実験。北海道中央バス、十勝バス、北海道拓殖バスの協力を得て、貨客混載をはじめ、公共交通と飲食店などの利用券をセットにしたデジタルチケット販売などもする。期間は3月31日まで。
バスターミナル間で荷物を受け渡す貨客混載では、バス会社の事業化に向けた可能性を探る。十勝圏域に立地する企業、団体を対象に平日の月曜から木曜まで、午前7時半と午後0時半に帯広駅前のバスターミナルを発車する便のトランクを利用して荷物を運ぶ。荷物は3辺の合計が100cm以内、重さ10㌔以内。発車15分前まで受け付け、利用料金は1個当たり税込み3840円。
第一便では、栗林商会帯広支店と広告デザイン業のプロコム北海道が荷物を依頼。栗林商会帯広支店の守山徹也支店長は「その日のうちに届けたい書類を送った」、プロコム北海道営業部の所祐樹さんは「イベントで利用するチラシとディスプレー用の野菜を送った。急なイベントだったので助かる」と話していた。(帯広)
(北海道建設新聞2021年2月19日付11面より)