札幌市は、現地建て替えを計画している円山動物園の新オランウータン館について、施設概要やスケジュールを明らかにした。延べ面積は約1300平方㍍に拡大し、延べ100―200平方㍍の屋内運動場も3面確保する考え。また、新施設完成は2023年10月ごろを見込み、23年度内のオープンを目指している。
10日の市議会第1部予算特別委員会で、松原淳二氏(民主市民連合)の質問に対し、加藤修円山動物園長が答えた。
新施設では、夜間を含めバックヤードで過ごす時間が長いことから、観覧できない場所についても現在の屋内運動場と同程度の広さを確保する。
このほか、本来の能力や行動を発現できるよう樹木を多く設置し、自然光が常に入るよう工夫を施す。また、熱帯雨林の環境に近づけるため、施設内で植物が自生できる環境を整え、昆虫や魚も一緒に飼育するなど動物福祉に配慮する。
新型コロナウイルス感染症の影響から、一時的にオランウータンを他の動物園へ移動させるスケジュールが20年度から21年度に先送りとなった。これに伴い、着工、完成時期に変更が生じている。
(北海道建設新聞2021年3月11日付12面より)