厚労省の送別会

2021年04月01日 09時00分

 きょうは4月1日。多くの職場は新たな布陣で走り出していよう。きのうまで一緒だった人が異動し、別の人がその席を占めている。別れと出会いがことさら胸に迫る日でないか

 ▼この時期になると、〝Mr.Children〟の『くるみ』(桜井和寿作詞作曲)を思い出す。こんな一節があるからだ。「出会いの数だけ別れは増える それでも希望に胸は震える 十字路に出くわすたび 迷いもするだろうけど」。苦労を分かち合った仲間との別れに際し、酒を酌み交わし、大いに景気を付けて新天地へ送り出してあげたい。そう思うのは人情だろう。ただこの十字路では、迷いなく実施見送りの判断をすべきだった。厚生労働省の老健局職員23人が、都内の飲食店で深夜まで送別会を開いていた問題である

 ▼会は緊急事態宣言が解除されて間もない24日、銀座で催されたという。解除されていたとはいえ大人数での会食は避けるよう政府の国民への要請は続いていた。その旗振りをしていた役所がこれである。当日は大半がマスクを外していたらしい。厚労省には下々の者には知らせていないコロナよけの秘策でもあるのだろうか。あればわれわれにもぜひ教えてもらいたいものだ。そうでなければあまりにも思慮が足りない。おととい、会を主催した老人保健課長は更迭され、田村厚労相は2カ月の給与自主返納を表明した

 ▼先の歌にはこんな問い掛けの言葉もあった。「この街の景色は君の目にどう映るの?」。さて、職員23人の目にはどう写っていたのだろう。まさか別れの涙で目が曇っていたとか。


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