大日本印刷(DNP)は26日、札幌市北3条広場(アカプラ)のバーチャル空間「PARALLEL SAPPORO KITA3JO」を公開した。イベントや観光を楽しめて、いつでも誰でも入れる空間だ。東京五輪マラソンに向けて計画される5月5日のテストイベントでも、入賞者の記者会見などの中継や展示ブースを楽しめる予定だ。
札幌駅前通まちづくり株式会社、札幌市と連携。リアルとバーチャルの両方を活用した新しいコミュニケーションの創造に取り組み、地方創生につなげる。
バーチャル空間は企業の商品販売やプロモーション、自治体イベントなどに活用できる。利用者は自らの分身であるアバターを動かして他の人と通話、スタンプを送る、撮影などが可能。パソコンやスマートフォン、VRデバイスで体験できて入場費はかからない。
企業や団体は映像、画像、立体物の配置をDNPに依頼できる。同じ空間をコピーできるため、異なるイベントや展示会の同時開催も可能だ。
市はDNPと活用法の研究を進める。担当者は「ビジネスモデルとしての定着に期待したい」と話す。DNP側も収益の地域還元につなげ、地方創生の新しいモデルとして展開したい考えだ。
アカプラはバーチャル空間を構築する「XRコミュニケーション事業」の1例目。道内で地方創生に取り組んできた背景もあり選ばれた。5月下旬には宮下公園(渋谷区)も公開予定。2025年までに全国30拠点構築を目指す。
(北海道建設新聞2021年4月27日付2面より)