6事業者で2.5億円/個室風呂の設置など
札幌市がまとめた定山渓地区観光拠点再生計画が、観光庁の既存観光拠点再生・高付加価値化推進事業に採択された。計画事業費は約2億5000万円。6事業者が観光庁の補助を活用し、2022年2月までに整備を完了させる予定だ。客室への個室風呂整備など宿泊施設の高付加価値化改修や跡地を観光利用するための廃屋撤去などを進め、スノーリゾートシティの活動拠点となる滞在型の温泉街を目指す。
市内南区の定山渓地区を計画地域に設定。地域課題として、各種施設の老朽化や温泉街としての景観が失われつつある点を挙げた。加えて、客室のハイグレード化など旅行形態や好みの変化を踏まえたさまざまなニーズへの対応が求められている。
主な事業では、廃屋を撤去した跡地を観光目的に利用し、景観改善や温泉地にふさわしいイメージ創出を目指す。また、海外富裕層を含む個人旅行に対応できるよう、客室への個室風呂追加など高付加価値化改修を計画している。
補助申請予定者は6事業者を見込む。宿泊施設の高付加価値化改修は3件、廃屋撤去は2件、宿泊施設の換気・感染症対策等設備導入は2件を予定。事業費は合計2億5000万円を試算し、うち補助申請予定額は1億2000万円をみている。
定山渓温泉は札幌市を代表する観光地で、コロナ禍以前はアジア圏からの海外客が増加し、インバウンド宿泊者が25万人に上っていた。市は策定を進めているスノーリゾートシティ構想でも重要な拠点に位置付け、定山渓観光協会や関係事業者と連携しながら環境整備などに取り組む考えだ。
(北海道建設新聞2021年6月24日付14面より)