ひだの塗装工業、障害者雇用支援を開始

2021年07月01日 12時00分

産業廃棄物分別を委託

 ひだの塗装工業(本社・旭川)は、障害者の雇用支援を始めた。障害者の就労支援などを担う社会福祉法人旭川旭親会に産業廃棄物の分別を委託。知的障害を持つ9人が、6月上旬から同社で作業している。飛弾野浩臣社長は「ゆくゆくは会社で採用できれば」と活躍に期待を寄せている。

産業廃棄物の仕分けている入所者

 ことし3月に環境省は石綿含有廃棄物等処理のマニュアルを改定。従来より産業廃棄物を細かく分別し処理しなければならなくなったため、同社は人手を必要としていた。飛弾野社長が約10年前から障害者の就職を支援する旭川市職親会に加入していた縁から、旭川旭親会に業務を委託することになった。

 旭川旭親会では、民間企業や行政から業務の委託を受ける施設外労働を実施してきた。清掃や田植えなど、さまざまな業種の仕事をしているが建設業は今回が初めて。旭川旭親会が運営する旭川福祉園の入所者が作業を担う。全9人中2人が女性、7人が男性。年齢は20代5人、30代1人、40代2人、50代1人の内訳。

 加藤浩二施設長は「ひだの塗装工業で働く不安はなかった。革手袋など道具を用意してくれたし、けがをしないための配慮がある」と話す。

 障害者が同社で作業する前に、飛弾野社長が旭川旭親会の職員に産業廃棄物の種類や作業手順を伝えた。職員は同社から教わった内容を受け、障害者向けのマニュアルを作成。職員が紙や布、発泡スチロール、廃プラスチックなどを言葉や実物を見せながら説明した。

 勤務は週に2回で、1日に4時間。冬季(1―3月)は作業期間に含めない。1回の勤務では障害者4人と付き添いの職員1人で作業する。社屋の空き部屋は休憩室として使用できる。加藤施設長は「素直でルールを守る人が多い。安全に作業できているのでは」と十分な戦力に満足気だ。

 飛弾野社長は障害者らの働きぶりを見て「想像よりうまくいっている」とし「ゆくゆくは現場の軽作業もしてもらいたい」と活躍に期待している。加藤施設長は、人手不足の業種と協力することで「障害のある方の働く場が増えれば」と話している。(旭川)

(北海道建設新聞2021年6月30日付10面より)


関連キーワード: 上川

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • 北海道水替事業協同組合
  • 東宏
  • web企画

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,411)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,291)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,249)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (1,113)
藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (894)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。